総合内科とは
当院の総合内科では、発熱、咳、腹痛や吐き気、下痢どの日常的な症状から、動悸や息切れなど詳しい検査をしないと原因が分からない病気まで、患者さんの様々なお悩みごとや症状に関して、幅広く診療を行っています。
総合内科の診療では、問診や必要な検査を行い、患者さんの症状の原因を特定します。検査の結果、専門的な治療が必要と判断した場合や原因がはっきりと分からない場合には、当院と連携する高度医療機関の信頼できる専門医をご紹介いたします。
症状の原因が分からない場合には、まずは総合内科を受診するようにしましょう。
総合内科専門医とは
総合内科専門医とは、内科全般を幅広く診療することができる専門医です。身体の中で複数の臓器にまたがって発症している病気や、原因がはっきりとは明らかではない病気などに対して、標準的な診療や治療を行います。
原因が分からない体調不良を改善したい、現在服用している薬の量を減らしたいなど、患者さんの様々なお悩み事に対して、患者さん一人ひとりに寄り添ってきめ細かく診療を行っております。ぜひ当院にお気軽にご相談ください。
このような症状でお悩みではないですか?
- 発熱
- 咳
- 喉の痛み
- 鼻水
- 鼻づまり
- くしゃみ
- 関節痛
- 吐き気
- 嘔吐
- 腹痛
- 頭痛
- めまい
- ふらつき
- 胃もたれ
- 食欲低下
- 下痢
- 便秘
- 肩こり
- 残尿感
- 頻尿
- 尿漏れ
- 突然に激しい尿意
- 眠りが浅い
- 寝つきが悪い
- 十分睡眠を取っても眠い
- もの忘れが激しい
など
よくある内科の病気
風邪
風邪は、正式には風邪症候群と言う病気の総称で、鼻や喉にウイルスが侵入することによって様々な症状を引き起こします。
主な症状は、鼻水や鼻詰まり、喉の痛み、咳、関節痛、食欲不振、全身倦怠感などです。多くの場合は発熱を伴いますが、中には発熱がないケースもあります。
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが感染することによって、突発的な38度以上の発熱や鼻水、鼻詰まり、咳、関節痛、筋肉痛、食欲不振、全身倦怠感などの風邪症状を引き起こす感染症です。非常に強い感染力を持ち、例年冬場に流行します。
インフルエンザは、事前にインフルエンザワクチンを接種することで感染の予防や重症化の予防が可能なため、毎年インフルエンザが流行する前の段階でのワクチン接種をお勧めしています。
症状
インフルエンザは、一般的に感染してから1〜3日の潜伏期間を経て発症します。主な症状は、突発的な38度以上の発熱や鼻水、鼻詰まり、咳、関節痛、筋肉痛、食欲不振、全身倦怠感などです。また、下痢や嘔吐などのおなかの症状がでる場合もあります。
治療
インフルエンザの治療は、タミフルやゾフルーザなどの内服薬やリレンザ、イナビルなどの点鼻薬といった薬物療法が中心です。また、症状を抑えるための対症療法も併せて行います。
なお、一般的にインフルエンザは発症から5日ほど、熱が下がってから2日ほどは体内にウイルスが残留しています。周囲への感染を防ぐためにも、発症日を0日とし、発症から5日間かつ解熱後2日間は自宅療養が必要です。
肺炎
肺炎とは、細菌やウイルスなどが肺に感染することで肺に炎症を起こし、発熱や咳、痰、呼吸困難、胸痛などの症状を引き起こす病気です。特に、高齢者や基礎疾患を持っている方は重症化しやすい傾向があり、例年高齢者の死亡原因の上位に上がってくる病気です。
主な治療は抗生物質や抗ウイルス薬などの薬物療法ですが、症状が重度の場合には、当院と連携する高度医療機関をご紹介いたします。
なお、肺炎は肺炎球菌ワクチンを接種することで、発症を予防し、重症化を防ぐことができます。
高齢者であれば、年齢によって自治体からワクチンの費用補助を受けることができる場合がありますので、詳しくはお住まいの自治体までお問い合わせください。
急性胃腸炎
急性胃腸炎とは、細菌やウイルス感染などが原因で胃腸が炎症を起こし、発熱や吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、腹部膨満感などの症状を引き起こす病気です。
下痢や嘔吐といった症状が起きるのは、体内に侵入した細菌やウイルスを排出するための反応であるため、市販の下痢止め薬などを使用してしまうと、かえって症状が長引いてしまう恐れもあり、注意が必要です。
ただし、激しい下痢や嘔吐を繰り返すと脱水症状を引き起こす危険があるため、こまめな水分補給や医療機関を受診して点滴などの処置を受けるようにしましょう。
発症時の対応
急性胃腸炎を発症した際には、漢方薬や整腸薬などを使用して症状を緩和させ、症状がある程度改善するまでは水分は小分けにしながら頻回に摂取しつつ、腸の安静を保つために食事を抜き、症状がある程度改善したあとに消化に良いものを少しずつ取るようにしましょう。
ただし、原因がノロウイルスなどの感染力の高いウイルスの場合には、下痢や嘔吐による排泄物を介して周囲に感染する恐れがあるため、自己判断で対処せずに医療機関を受診して、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
高血圧
高血圧は、将来の脳卒中、心臓病、腎臓病、認知症の発症リスクを高める病気です。日本では,1年間に約17 万人が高血圧を原因する脳卒中や心臓病で死亡しているとされています。上の血圧(収縮期血圧)を10mmHg下げることで脳卒中・心臓病が約2割減少します。また、高血圧の人では,年齢に関わらず,上の血圧を130 mmHg未満,下の血圧を80mmHg未満まで下げると,それ以上の血圧の方と比べて,脳卒中や心臓病が少なくなることが示されており、高血圧管理・治療ガイドライン2025では、上の血圧が130 mmHg未満,下の血圧が80 mmHg未満を降圧目標とされています。
高血圧は初期の段階では自覚症状に乏しいですが、進行すると肩こりや頭痛、耳鳴りなどの症状を引き起こすことがあります。そのため、定期的に健康診断を受診する、ご自身で定期的に血圧測定を行うなどして、常にご自身の血圧の状態を把握しておくことが大切です。
原因
高血圧には、偏った食事習慣や運動不足、喫煙などの生活習慣の乱れによって引き起こされる本能性高血圧と、他の病気や薬の影響などによって引き起こされる二次性高血圧の2種類に分類されます。日本においては9割以上が本能性高血圧です。
二次性高血圧を引き起こす主な原因は、腎疾患や内分泌疾患、睡眠時無呼吸症候群といった病気やステロイド性抗炎症薬、非ステロイド性抗炎症薬などの薬の副作用が挙げられます。
治療
本能性高血圧は、生活習慣の乱れによって引き起こされます。まずは、生活習慣の改善(減塩、運動、肥満の是正、節酒、十分な睡眠など)を行います。とくに日本人の食塩摂取量は 10g/日と世界の中でも高いことが知られており,高血圧の人は 食塩摂取量は6g/日未満にすることがすすめられています。
これらを行っても十分に改善しない場合など、必要時には、降圧剤の処方を行います。
高脂血症(脂質異常症)
高脂血症(脂質異常症)とは
高脂血症(脂質異常症)とは、主に食事習慣の乱れによって血液中の中性脂肪や悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増加する、あるいは善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低下する病気です。高脂血症(脂質異常症)により全身の血管が老化し、動脈硬化を引き起こします。
今は症状がないかもしれませんが、高脂血症を放置すると全身の血管が狭くなり、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの後遺症が残る重篤な病気を引き起こします。とくに悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は動脈硬化と強く関係するため、注意が必要です。
当院では将来的な狭心症や心筋梗塞、脳卒中の予防ために、高脂血症(脂質異常症)の診療にも力を入れています。コレステロールのことで気になることがある場合には、お気軽にご相談ください。
悪玉コレステロール
(LDLコレステロール)の目標値
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の目標値は患者さんの性別や年齢、生活習慣、持病により異なります。
例えば男性、高齢、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、喫煙といった危険因子を多く持つ人は、心筋梗塞や脳卒中を発症しやすい「高リスク」に分類され、厳格なコントロールが必要で、LDLコレステロール < 120 mg/dLが目標値になります。
また、一度でも心筋梗塞を患ったことがある方は再発リスクが極めて高いことから、LDL-コレステロール < 70 mg/dLと目標値がさらに厳しくなります。
一方で、上記の危険因子を持たない「低リスク」に分類される人の目標値はそれほど厳しくなく(LDLコレステロール < 160 mg/dLで可)、基準値を多少オーバーしたとしても薬物療法は不要です。このようにLDLコレステロールの管理目標は人によって異なります。
原因
高脂血症(脂質異常症)の主な原因は生活習慣の乱れに伴う肥満ですが、健康的な生活習慣であり肥満ではないにも関わらず、LDLコレステロールが極めて高い場合があります。このような場合は、遺伝による病気である家族性高コレステロール血症の疑いがあります。
家族性高コレステロール血症の最大の特徴は、生まれながらの高LDLコレステロール血症と30歳代以下の若年発症の狭心症・心筋梗塞です。家族性高コレステロール血症はホモ型とヘテロ型の2つの遺伝のタイプがあり、ホモ型が特に重症化しやすいため、指定難病に認定されています。一方でヘテロ型はホモ型ほど重症化しませんが、300〜500人に1人、全国で30万人以上と推定されており、高頻度に存在するため、早期の診断と十分な薬物治療が極めて重要です。
家族性高コレステロール血症では早期診断・早期治療を行うことで、心筋梗塞の予防に繋がります。さらに、家族性高コレステロール血症の早期診断はご本人の命だけでなく、その方のご家族の命も救います。家族性高コレステロール血症は遺伝性の病気ですので、親の家族性高コレステロール血症の診断がお子さんの家族性高コレステロール血症の早期発見と早期治療に繋がり、お子さんの命を救うことにつながるからです。
家族性高コレステロール血症の薬物治療は、心筋梗塞患者と同様に厳しい目標値(LDL < 70 mg/dL)を達成する必要があるため、数種類の内服薬の併用が必要な場合が多いです。
治療
生活習慣の乱れによる肥満が原因である場合には、脂肪やカロリーの多い食事を控え、節酒や筋腫、禁煙、適度な運動を習慣化するといった生活習慣の改善が大切です。生活習慣を見直しても改善が見られない場合や家族性高コレステロール血症の場合には、内服薬による薬物療法を行います。
ただし、高脂血症の治療薬は肝機能障害や筋肉が障害される横紋筋融解などの副作用を起こす場合がありますので、定期的に受診して経過観察を行うことが大切です。
糖尿病
糖尿病とは
糖尿病とは、膵臓から分泌されて血糖値を下げる役割のあるインスリンの分泌量が低下し、血糖値が慢性的に高い状態となる病気です。糖尿病は、膵臓機能が低下することで発症する1型糖尿病と、生活習慣の乱れによって発症する2型糖尿病の2種類に分類され、日本では95%の糖尿病患者が2型糖尿病です。
進行と全身への影響
糖尿病は、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまい、何らかの症状が現れた際には、かなり病状が進行しているケースが多く見られます。また、糖尿病は進行すると全身に多くの合併症を引き起こす特徴があり、特に糖尿病網膜症や糖尿病腎症、糖尿病神経障害は糖尿病の三大合併症です。糖尿病は全身の血管を老化させますので、全身の血管が細くなる動脈硬化を引き起こし、将来的に脳卒中や心筋梗塞など命の危険を伴う重篤な病気を起こす危険が高まります。
治療の目的と血糖管理の目標
糖尿病を治療する意義は、「糖尿病に伴う全身の合併症を予防する」ことであり、最新の糖尿病診療ガイドラインでは、これらの合併症予防の観点から、HbA1c(過去2~3か月の平均血糖値を示す指標)の目標値は7.0%未満にすることが推奨されています。また食事・運動療法や薬物療法で無理なく達成できる場合はHbA1c 6.0%未満を、薬の副作用などさまざまな理由で治療強化が難しい場合にはHbA1c:8.0%未満を目標値とします。
ご高齢の方では、年齢や認知機能、身体機能、持病、治療の伴う低血糖の危険性、推定される余命などが個々で異なるため、一律の目標設定が困難ですが、「高齢者糖尿病診療ガイドライン」に基づき、患者さんの状態に応じて適切な血糖値の管理を行います。
2型糖尿病の治療
糖尿病は根治が難しい病気のため、健康診断等で血糖値の異常を指摘された際にはなるべく早い段階で生活習慣を見直し、血糖値を適切にコントロールすることが重要です。具体的には、偏った食事習慣の見直しや運動習慣の取り入れなどの生活習慣の改善を行い、血糖値の上昇を抑える必要があります。
生活習慣を見直しても症状が改善しない場合には、血糖値を下げる内服薬での薬物療法を行います。内服薬でも血糖値の改善が乏しい場合には、インスリン注射などの注射剤が必要になることがあります。
糖尿病網膜症や糖尿病腎症、糖尿病神経障害といった糖尿病が原因の合併症を起こしてしまうと治りませんので、これらの合併症を起こさないように日頃から適切に血糖値のコントロールを行うことがとても大切です。
当院では、糖尿病の診療にも力をいれています。血糖値が気になる方はぜひ当院にご相談ください。
高尿酸血症
高尿酸血症とは、慢性的に血液中の尿酸値が高い状態の病気です。
主な原因は過度な飲酒で、進行すると結
晶化した尿酸が足の指の関節に溜まって、激しい痛みを伴う痛風発作を引き起こします。また、尿酸の結晶が腎臓内で蓄積し、慢性的に腎臓の炎症を起こすことで徐々に腎機能が低下していく痛風腎が起こすことがあります。
健康診断で尿酸値の異常を指摘された際には、できるだけ早めに医療機関を受診して治療を行うようにしましょう。
痛風発作時の治療
痛風発作を起こした際には、まずは痛みなどの症状を和らげるための対症療法を行い、症状が落ち着いたあとに尿酸値を下げるための治療を行います。すぐに高尿酸血症の治療を開始すると、かえって痛風発作を助長する恐れがあるため、注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に呼吸が止まる、または弱く・浅くなることで日常生活に様々な障害を引き起こす病気です。睡眠の質が低下することで、頭痛や集中力・判断力の低下などの症状の他、日中に我慢できないほどの眠気に襲われ、重大な交通事故を引き起こす恐れもあります。日本では睡眠時無呼吸の患者さんは潜在的に900万人いると推定されており、成人男性の4人に1人は睡眠時無呼吸症候群があると言われています。また、習慣的にいびきをかく人の6人に1人が睡眠時無呼吸を合併しているとされ、「いびき」を指摘される方は睡眠時無呼吸の可能性がありますので、注意が必要です。
睡眠時無呼吸の方は交通事故を起こすリスクが7倍、脳卒中のリスクが3倍、突然死のリスクが2.5倍、高血圧や糖尿病になる危険が約2倍と報告されています。このように、睡眠時無呼吸症候群は命に関わる病気になる危険性が高まりますので、適切に管理・治療する必要があります。
睡眠時無呼吸症候群は、自身では自覚できないことが多いため、日中に眠気があるなどの気になる症状がある場合やご家族・パートナーの方からいびきを指摘された場合には、できるだけ早く医療機関を受診して検査や治療を行うようにしましょう。当院ではご自宅での睡眠時無呼吸症候群の簡易検査および精密検査が可能です。気になる症状がある場合には、お気軽にご相談ください。
治療方法
CPAP(シーパップ)療法
[経鼻的持続陽圧呼吸療法]
CPAPとは、睡眠時に特殊なマスクを装着し、一定の圧力をかけた空気を気道に送り続けて気道を確保する治療法です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療の中で最も一般的な治療法で、ご自宅で気軽に行え、睡眠の質を向上させることで日中の眠気やだるさの改善や血圧を低下させる効果などがあり、将来的な脳卒中や心臓病の危険性を低下させる効果があります。当院ではCPAPの導入および管理が可能です。
マウスピース
睡眠時に特殊なマウスピースを装着することで、下あごを少し前方に押し出して空気の通り道を確保する治療法です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の中でも、比較的軽症な患者さんにお勧めするケースが多いです。

