胃もたれ（胃がムカムカする）

食事

消化が悪いタンパク質や脂質の過剰摂取は胃もたれの原因になります。また、寝ている間は胃腸の働きが低下しているため、就寝前に食べ過ぎると胃もたれが起こりやすくなります。

ストレス

ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、胃腸の動きの低下や胃酸分泌のバランスが悪くなり、胃もたれが起こりやすくなります。

「腸脳相関」

ストレスを感じたときに分泌されるストレスホルモンが胃腸の働きを乱し、逆に、胃腸の調子が悪いと、その情報が脳に伝わり、おなかの不快な症状を感じるようになります。
ストレスを感じたときにでるストレスホルモンにより、消化管の働きにも影響が及び、胃腸の動きが鈍くなる、胃がもたれる、腸が過敏になり下痢になるなどの症状が起こることがあります。これは脳と腸には密接な関係があるためであり、「脳腸相関」と呼ばれています。

加齢

加齢によって胃や腸壁の筋力が衰えると胃腸の動きが悪くため、胃もたれが起こりやすくなります。また、女性は更年期や閉経により、女性ホルモン（エストロゲン）の分泌が大幅に低下すると、自律神経のバランスが崩れやすくなり、胃もたれを起こしやすくなります。

消化器疾患

胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんなど、さまざまな疾患で胃もたれの症状がでる可能性があります。症状だけでは原因と特定することが難しいため、検査を行って詳しく調べることが重要です。

胃炎

胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起きている状態です。急性胃炎では、暴飲暴食・ストレス・薬（NSAIDsなど）・ウイルス感染などが原因となり、胃もたれや胃痛、むかつきなどの症状が現れます。 また、慢性胃炎では、長期間にわたり胃の粘膜が弱り、胃酸に対する防御力が低下するため、少し食べただけでも胃が重く感じることがあります。症状が続く場合には、より重い病気が隠れていないかを調べるために胃カメラ検査が有効です。
胃もたれが長引く方や繰り返す方は、早めに当院までご相談ください。

胃炎

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃酸によって粘膜が深く傷ついた状態です。初期には「少し胃が重い」「食後に痛む」程度の軽い症状だけのことも多く、胃もたれとして現れることがあります。進行すると強い痛み、黒い便（出血）などの症状が出る危険な疾患です。原因として多いのは、ピロリ菌感染とNSAIDs（ロキソニン・アスピリンなど）の内服です。どちらも胃の粘膜を弱くし、胃酸によるダメージを受けやすくします。
放置すると再発を繰り返すことがありますので、胃もたれや胃痛が続く場合は早めに胃カメラで確認することをおすすめします。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃がん

胃がんには特に注意が必要です。初期の胃がんはほとんど症状がありません。また胃がんは進行しても胃もたれ程度の軽い症状のみの場合も多いです。胃がんは、早期発見することで、体に負担が少ない内視鏡治療によって治すことができます。
胃もたれが続いている方は、当院までご相談ください。

ピロリ菌感染

ピロリ菌感染は胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎を引き起こし、胃がんになる危険性が高くなります。萎縮性胃炎を起こすと、胃酸の分泌が減り、食べ物の消化に時間がかかるため、胃もたれの原因となります。ピロリ菌が陽性の場合、除菌治療を行うことで胃もたれなどの症状の改善だけでなく、胃がんの発症リスクも低下させることができます。

当院では、ピロリ菌検査や除菌治療も行っていますので、胃もたれでお悩みの方は当院にご相談ください。

ピロリ菌・除菌治療

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアは、内視鏡検査（胃カメラ）や腹部超音波検査などで異常がないにもかかわらず、胃のふくらみや動きが悪いため、胃もたれやすぐに満腹になってしまう（早期満腹感）などの症状がおこる病気です。生活習慣の見直しや服薬により症状の改善が期待できます。

機能性ディスペプシア

感染性胃腸炎（胃腸風邪）

胃もたれと風邪症状が同時に起こる場合があります。主に、ウイルスや細菌による胃腸炎や体調不良後の胃酸の逆流が原因です。急性期には下痢や嘔吐が起こりますが、治った後も胃の不快感が長引くケースがしばあります。特にご高齢の方や子どもは、治療が遅れた場合には脱水になりやすく、重症化しやすいです。
市販薬に頼るだけでなく、気になる症状が続く場合は早めの受診をお勧めします。胃腸風邪の予防には、手洗いやうがい、十分な休息、バランスの良い食事をとるが大切です。　

食事

消化の悪いタンパク質や動物性脂肪の取りすぎを控え、よく噛んでゆっくり食べるように心がけましょう。また、食べ過ぎや飲みすぎは避け、寝る直前の食事は控えましょう。

運動

無理のない範囲で続けられる運動を習慣化することで、代謝や血行が良くなり、胃腸の機能が改善します。

睡眠

睡眠不足は自律神経のバランスの乱れを引き起こします。日頃から十分な睡眠や休息を取るように心がけましょう。